CSR活動とは、Corporate Social Responsibility活動の略語で、企業の社会的責任を意味します。サステナビリティ(持続可能性)活動とも呼ばれます。企業が利害関係にある人達(従業員・消費者をはじめとした社会)のニーズに、適切なコミュニケーションをはかることです。
企業が社会に果たす責任であり、企業が継続していくための社会づくりの一環と言い換えても良いでしょう。たとえば、製造業は環境的配慮が必要とされます。自然はわたしたちの生活に欠かせない大切な資源です。
これが製造によって破壊されていけば、いずれ企業は製造ができなくなり存続もできなくなります。また、社会から必要な存在と求められなくなるというリスクもあるのです。
つまりCSR活動とは、企業が社会と共存し、豊かな環境を維持していくための大切な活動と言えます。
有名企業のユニークなCSR活動7選
国内に限りますが、ユニークなCSR活動を行っている企業とその内容をピックアップしました。
集英社
集英社の代名詞とも言える週刊少年ジャンプで爆発的人気を博したバスケットボール漫画の『スラムダンク』の名前がついた奨学金があるのをご存知でしょうか?
『スラムダンク奨学金』は、プロのバスケットボール選手を目指す高校二年生を対象に、海外での学びの機会を支援・提供するものです。名前の通り、スラムダンクの印税の一部が使われています。
任天堂
京都地方法務局が運営している『子どもの人権110番』は、虐待やいじめなどに悩んでいる子どもたちが利用する専用ダイヤルです。この啓発キャンペーンのポスターなどに、任天堂から生まれたキャラクターが使用されています。できるだけ、子どもたちの目につきやすくするという、愛情に溢れたアイディアですね。
ソフトバンク
プロ野球を運営するソフトバンクは、プロ野球選手のセカンドキャリアの支援を行っています。具体的には、プロ野球選手会の協力のもと『イーキャリアネクストフィールド』というマッチングサービスを運用しています。
プロ野球引退から5年以内かつ、引退後の転職回数が2回以上の元選手が対象です。
DeNA
ソフトバンク同様、プロ野球を運営しているDeNAはプロ野球を通じた社会・地域貢献の他に、全国の小中学校の企業訪問を受け入れていたり、子どもたちが安心・安全にインターネットを利用できるよう、ネットリテラシーが学べる冊子を配布するなど、次世代へ向けたIT支援が目立ちます。
カルピス社
子供たちに長年愛されるカルピスを販売するカルピス社は、次世代に向けて『カルピス絵本』というオリジナルの絵本を定期的に発行しています。読み聞かせによって親子の絆が深まり、子どもたちの情緒がより健康的に育つような活動です。他にも地域や子どもたちと関わりを持てるCSR活動を行っています。
日清食品
日清食品は『百福士プロジェクト』と称し、「創造」「食」「地球」「健康」「子供たち」をテーマに100の未来のためにできるプロジェクトを立案しています。
ユニークな取り組みも多く、2018年5月現在、21のプロジェクトが行われています。活動は日清食品のCSR活動ページに細かく報告されており、いずれも見ているだけでワクワクできるプロジェクトです。
au
auでユニークなのは『キボウのカケハシ』という、環境や社会に貢献・支援する非営利団体に、ユーザーから寄付を募るプロジェクトです。20ほど(2018年5月現在)の団体の中から好きなものを選び、寄付ができます。携帯料金と一緒に、簡単・手軽に支払うことができるのが良いですね。
CSR活動は企業のブランディングにもなり得る?
近年、企業のモラルが問われています。
大手でもブラック企業と呼ばれたり、世間を同様させる改ざん行為など大きなニュースになったものもあります。
ブランドには必ず企業イメージが付き纏います。環境へ配慮していたり、従業員に対する待遇が良かったり、社会貢献の大きい企業は取り扱う製品やサービス、ブランドのイメージも良いですよね。企業の姿勢を評価し、サービスや商品を利用するユーザーは一定層います。
他にはないユニークなCSR活動を行っているところや社会に大きく貢献しているところは、それだけで話題になりますし、消費者や投資家への良いアピールにもなりますよね。
就職活動を行う就活生もCSR活動を重視していると言います。
企業にとってCSR活動は社会貢献だけではなく、こういったブランディングの一環でもあると言えますね。