ビジネスマンが心得るべき会食・接待のマナー

大企業ではコンプライアンス的な意味合いから、接待を提供するのも受けるのも禁止としているところも出てきているようです。しかし実際、取引先と円滑なコミュニケーションをはかるため接待や会食を行う機会を設けているというビジネスパーソンの方、経営者の方、フリーランスの方もいらっしゃいます。
本記事では接待について詳細にみていきます。接待にあまり良いイメージを持っていない方も是非一読ください。接待は、うまくいけばこれ以上ないコミュニケーションツールです!

ビジネス

接待・会食の意味と目的・必要性について

ビジネスの世界において、接待はフェアではないと感じる方は多いのではないでしょうか?確かに過剰な接待、ビジネス上で優位に立つために行う接待はフェアではありません。接待のネガティブなイメージは、この見返りを求める過剰接待からきています。
接待は見返りに契約をもらう、仕事を自社優位に進めるためのものではありません。相手の人間性・性格・雰囲気を掴み、円滑に仕事のやりとりを行うためのコミュニケーションツール、いわばビジネス・営業の下準備です。
接待はこちらの振る舞いによっては相手を誤解させてしまう・会社のコンプライアンスに違反してしまうこともあります。接待の前後・接待中の振る舞いに注意しなくてはいけません。チームに属している場合は自分の独断で接待をセッティングすることはご法度。必ず上席、リーダーや会社に確認をしましょう。

接待・会食の準備【誘い方と店の予約】

▼最初のアクション
接待において、最初に悩むのは誘い方です。
最も避けていただきたいことは相手に対して【接待】という単語を使うこと。食事やお酒の席なら【会食】と伝えましょう。接待の目的が顔合わせなのか、打ち合わせも兼ねているものなのか、など目的の違いで伝え方や使う単語も異なります。『是非ご招待したいお店があります』『打ち合わせも兼ねて、ご一緒に食事でもいかがですか』など、相手が気構えない言葉を慎重に選びましょう。

▼日程

日程は相手の都合に合わせてセッティングします。
日程の調整をする際に相手のアレルギーや食べられないものを伺っておくと良いです。「好きなものはありますか」と聞くより、アレルギーや避けたい食べ物を聞く方が相手も答えやすく、こちらの配慮をアピールすることができます。また、喫煙者かそうでないかも確認しておきましょう。

▼お店選び

お店選びやコースの選択で注意していただきたいのは過剰接待にならないようにすることです。相手の立場や格によって店のランクや会社で出せる予算も決まってくると考えられます。多くのことを考慮してピックアップした店の中から最も適したものをチームのメンバーや上司と相談しながら選択します。自分1人で仕事をしている方は身近な方や、秘書・アシスタントに相談しましょう。

▼配慮
ビジネス相手ですから、配慮していても仕事の話は出てきてしまうものです。
できれば個室で落ち着いて話せるところを選択します。しかし個室でも半個室や隣のテーブルの会話の内容がはっきりと耳に入ってきてしまうというところは避けること。そのためにも下見は必要です。お店側にも接待と伝えてきましょう。

▼連絡

お店が決まり、セッティングができたら相手に連絡します。電話で伝えても、改めてメールで店の場所や時間、店の地図などを送ります。記録が残るもので伝えた方がトラブルも少なく親切です。メールを使用しない相手であれば案内状を出します。

接待・会食時の席順

接待時、どこに座れば良いのか迷う方もいらっしゃるかもしれません。
正確な位置は入口がどこにあるかなどで違いますが、原則出入口から最も遠い席が上座と考えて問題ありません。不安な場合は下見をする際や、お店側に接待と伝える際にどちらが上座になるのか伺っておきましょう。
移動でタクシーに同乗する場合は運転手の真後ろが上座です。社用車の場合は助手席が上座となります。

接待・会食時の手土産を渡すタイミングとは

手土産を賄賂と捉えてはいけません。時間をいただき、お付き合いいただいたことへのお礼の品です。
店選びもそうですが手土産は相手のことをよく考えて選ぶことが大切です。どこでも購入できるような既製品や間に合わせただけのものを心から喜ぶ方はあまりいません。自分がもらってうれしいもの、相手に喜んでいただけそうなものを選びましょう。
手土産は自宅に持ち帰る方が多いといいますから、相手の家族構成などや好みがわかっている関係であれば、奥様やお子様へ、という選び方もできます。

野球観戦やゴルフなど会食以外の接待

接待は食事だけではありません。野球観戦やゴルフなどもあります。
ゴルフはルールの把握はもちろん、ビギナーすぎると相手に迷惑をかけてしまう可能性も。相手の実力についていける程度でなければかえって失礼にあたります。
野球観戦は自分の贔屓チームの応援に熱が入らないように注意してください。席は落ち着いてみられる場所、できるだけ正面に近い内野、出入りしやすい端の席を推奨します。

ビジネスマン

いかがでしたか?
頼もしいコミュニケーションツールであると同時に、失敗も声も多い接待。お誘いの仕方、店・手土産の選び方まで何かと準備が大変ですが相手に喜んでもらえること、心遣いを忘れずに進めていきましょう!