あなたは知っている?「秘書」のルーツに迫る

historyhisho
 
今や憧れの職業として挙げられる秘書。みなさんは秘書についてどれくらい知っているでしょうか?
社長の横にいる人?デキる女?人によっていろいろなイメージを持っているでしょう。

そんな注目度の高い秘書は、いつ頃からできた職業なのでしょうか?最初に秘書になった人は誰なのでしょうか?
今回は知られざる「秘書」のルーツに迫ってみましょう。
みなさんの知らなかった秘書の世界が見えてくるかもしれません。

 

そもそも「秘書」は仕事を指す言葉じゃなかった!?

0eed965ad4fa3112de0bc149f1be96a4_s
 
現在「秘書」は、一般的に人や職業を指す言葉として使用されています。役員秘書、議員秘書、プロジェクト秘書と秘書にも様々な種類がありますが、なぜ「秘密」を「書く」と書いて「秘書」という言葉になったのでしょうか?まずは、秘書の語源をご紹介します。
 
昔、秘書は人や職業を表す言葉でなかったとされています。
もともとは古代中国の宮中の蔵書のことを指しており、その時代、日本でも簡単には人に見せられない秘密の本のことを「秘書」と呼んでいました。
 
それが変化したのは明治時代と言われています。直接の成り立ちは欧米語と言われており、国内に企業が増え、英語の「secretary(セクレタリー)」を日本語に訳そうとしたところ、適切な言葉がなく、そこで再発見されたのが「秘書」という言葉だったそう。
 
古代中国では蔵書を管理する人を「秘書省」「秘書監」と呼んでいたことや、日本でも書記と合成した「秘書記」という言葉があったことから、重要な書類を取り扱う職業を「秘書」として主に金融機関などで呼ばれるようになり、それが定着していったと言われています。
 

最初に「秘書」を務めた人

 
今では多くの人が秘書という職業に就き活躍していますが、秘書と呼ばれる職業を最初に確立させた人は一体誰だったのでしょうか。
 
歴史をたどってみると、弥生時代に古代国家が生まれたときから、首長などの支配者には秘書的な役割を果たす身の回りの世話係がいたとされています。かの有名な卑弥呼は、自分の弟が人民との取り次ぎを担っていたとされ、その弟が秘書としての職能を果たしていたと言えます。また秘書史上で著名な“稗田阿礼”という人は、「舎人」と呼ばれる当時秘書のような役割を持っていた職業に就いて、天武天皇に仕えた歴史があり、我が国の秘書第一号とも言われる由縁になっています。
 
さらに、秘書という職名が初めて公式に用いられたのは、1872年の海軍省の職制だったと言われ、その当時から文書事務や日程管理、機密情報の管理など、現代の秘書に通ずる業務を行っていたとされており、近代日本における秘書の形は官僚組織の中から派生してできたものと言っても良いでしょう。
 

女性秘書の誕生

e017a2ba4494afb50c80d6b0edbf15eb_s
 
明治期になると女性秘書の養成のため、女学校での実務教育が始まりました。現在では秘書というと女性を連想させることが多いですが、それまでの日本では女性は事務員や速記者、タイピストとして扱われることが多く、「秘書」を職名として活躍していたのは男性だけだったと言われています。
 
女学校によって専攻科目の教育が開始されると、瞬く間にその影響は広がり、ついには秘書部を設置する学校が表れるまでになりました。当時の教育は、簿記やタイプライターなどの実務的科目の他に、良妻賢母を旨とした品性や婦淑を養う教育がされていたと言われています。
 
このころの日本の社会情勢を見ると、女性の社会進出を意図として女性教育に力を入れ始めた時期であったとされており、まさに秘書は女性の社会進出のための先駆者として重要なポストを担っていたと考えられています。今や当たり前になりつつある、女性秘書のルーツはこの時代にあったのです。
 

秘書検定の歴史

いまや秘書を目指す者以外にも、一般常識や社会で役立つルールなどを学べることから、社会人として取得しておきたい資格ともされる秘書検定。
秘書検定の歴史は古く、現在の秘書検定の元となったのは、昭和47年から行われていた「文部省認定OL職業技能検定」だとされています。
 
文字通り、OLのための技能検定として発足しましたが、年々受験者数が増えるとともに現在の「秘書検定」として姿を変えました。現在も受験者数は増加しており、年間16万人以上が受験する人気の検定となっています。歴史が長いことから、企業からの信頼も抜群な資格であり、現代では社会人だけでなく、学生も取得を目指している人が多い資格です。
 
2006年の認定制度廃止により、現在は文部科学省後援試験という位置づけになってはいますが、年々関心度が高まっている資格でもあります。

 

 
 
いかがでしたでしょうか。
秘書の歴史は古く、それだけ長い年月をかけて確立されてきた職業であり、また、昔からいつの時代も必要とされてきた重要な職業と言えるでしょう。
 
そして今、オンライン秘書という時代に沿った秘書が誕生しました。
オンライン秘書は、秘書の長い歴史の中でも「新しい形の秘書」としてみなさんをサポートしていきます。