そもそも「副業」とは?
一般的に「本業とは別に行っている仕事」のことを指す「副業」。本業に比べて得られる収入や充てる時間、労力が少ないもののことを言い、サイドビジネスとも呼ばれます。
副業には法律上の明確な定義などはなく、アルバイトなど雇用が伴うもの・フリーランス・資産活用などその形も様々。
従来の日本社会では原則「副業は禁止」という風潮がありましたが、近年は働き方改革の影響もあり「副業解禁」に踏み切る企業が増えています。これはいったいなぜでしょうか?
▶副業・兼業は禁止できない?
「企業が副業を禁止することは法律違反」なんて話を聞いたことがある方も多いかもしれません。しかしこの解釈は少し誤解を含んでいます。
公務員の場合は国家公務員法で副業の禁止が明言されていますが、一般の会社員に対して「副業を禁止する」という内容の法律はありません。ですが、反対に「副業を禁止してはならない」という法律もありません。
そのため、企業が従業員に対して副業を禁止すること自体は違法ではないということになります。
▶副業・兼業を認めるメリット
人財の早い成長が見込める
副業を認める大きなメリットは、従業員に「与えられた仕事をこなすのではなく自ら仕事を創り出す」という意識を持たせられること。また、会社での仕事ひとつに携わっているだけでは身につかないスキルが身につくことも期待できます。
副業を認めるどころか「専業禁止」の規定を設ける企業もあるほどです。
優秀な人財を社内にとどめておく
社外から依頼が来るような優秀な人財も、所属している会社に副業禁止の規定があると動きにくくなってしまいます。
これはビジネスの機会損失となるだけでなく、優秀な人財が退職して独立してしまったり他社へ引き抜かれる要因となることも考えられます。
また、ビジネスに対して高い意欲を持つ人財を獲得するため、採用活動の際のアピールポイントとして副業を推奨している企業も多いです。
▶副業・兼業を認めるデメリット
上記のような理由から副業を認める企業は増えていますが、実際に副業を解禁する際は以下のようなデメリットにも注意しなければいけません。
本来の業務に支障が出る
本業とは別に副業を持つことで寝不足や疲労がたまり、本来の仕事のパフォーマンスに影響が出ては本末転倒。
副業のせいで本業に支障が出るようであれば副業はやめさせるなど、本業と副業のバランスを徹底させることが必要です。
本業の競合となる
従業員が始めた副業が本業と同様の業種だった場合、競合となり本業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。
これを防ぐためには、就業規定で「副業は他業種に限る」など条件を設けるなどの施策が必要です。
会社全体の信用を落とすリスクがある
もし従業員が公序良俗に反した副業を行っていたり、本業に関わる情報漏えいなどが起きたりした場合は会社全体の信用を大きく失墜させる恐れがあります。これは企業としては絶対に避けたいリスクですよね。
副業を行う場合は必ず申請させる、本業に関する情報の管理を徹底するなどの対策が必要です。